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今宵、安倍晴明が死ぬ

84歳の高齢となった晴明は危篤の床にあった。
晴明が今死ねば、都の結界は破れ、再び魔物が暴れ始める。
臨終の床に集まった安倍晴明ゆかりの4人、
藤原道長、源頼光、朱華、賀茂守道。
そして4人は語り始める。
狐の子、妖の子と蔑まれながらも人のために戦った男、
大陰陽師 安倍晴明の物語を・・・・・。
 
時は平安末期、人心は乱れ、乱れた心は鬼を生み出し、
その鬼は人を襲っていた。
朝廷は、鬼を倒すべく陰陽師達に討伐隊を結成させるも、
増え続ける鬼を前にしては、若い陰陽師達の尽力など焼け石に水。
人の心が作り出す鬼。誰かが誰かを恨むごとに、
鬼は産み落とされ、若き陰陽師達の手は鬼の返り血で汚れていった。
 
そんな最中、さらに今度は妖狐まで都に現れた。
妖狐の好物は、鬼の肉。鬼を宿した人の心。
夜の都で、人も鬼も見境なく喰い荒らしてゆく妖狐。
人の心の闇が生み出す鬼とそれを喰らう妖狐。
 
そして妖狐は神格化された神、人には殺められない・・・。
 
頭を抱える朝廷が指名したのは、人間で唯一、妖狐を殺められる
と噂される若者、狐の子だという若き陰陽師、安倍晴明だった。
母と同じ香りがする敵と対峙する晴明。
  
鬼とは? 狐とは? そして人とは?
  
愛する我が子を人間界に残し立ち去る狐の物語、
歌舞伎「蘆屋道満大内鑑」そして、安倍晴明による狐退治を
元にした能楽「殺生石」ふたつの物語がひとつになる時、
母の香りがする敵を倒す宿命を持つ子、安倍晴明は何を見るのか?
  
1000年前の京の都で、人の鬼(こころ)がぶつかり合う!