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碁盤の目

京の都は碁盤目のような作りになっている。これは、鬼達から都を守る結界の役目をしている。確かに外から鬼が入れないが、同時に都に住まう人の心から生じる鬼も外に出ることができない。ゆえに、都の鬼は日増しに増大していったとされる。

 
 

元々、「おに」とは「隠れる」と書いて「隠(おぬ)」と読んだのが語源。 人間なら誰しもが持つ「恨み」「妬み」「そねみ」「怒り」といった負のエネルギーを「隠(オヌ)」と呼んだ。そういった負のエネルギーに取り込まれてしまった人間を、鬼に魅入られた・・・・あるいは、鬼になったと呼んだ。やがで、放置すれば実体化し、人を襲う鬼になる。「鬼」は人間なら誰の心にでも存在するものだが、あまりに大きくなってしまったら陰陽師を呼ぼう。

 
 

他の鬼や妖怪とは異なり、神格化された神であり、人が討つことはできない。人の心の鬼も実体化した鬼も両方好物。鬼を喰らい退治するという意味では神であるが、強大化しすぎた鬼をその人ごと喰らってしまうという意味では魔物である。人と人とが憎しみ合うにつれ京の都は鬼で溢れ返り、またその鬼を喰らう狐も増えていった・・・。

 
 

狐憑き

鬼ごと心を喰われてしまった状況を言う。鬼を喰われてしまえば、その人間は狐の傀儡となってしまう。

 
 

朱華の木

唐棣(はねず)とも書きます。庭梅、庭桜あるいは石榴の花の古名だと言われるピンク色の花。はねず色は、くちなし色をベースに紅花で染めた淡紅色です。大伴坂上郎女の歌に「思わじと言ひてしものをはねず色のうつろひやすきわが心かも」と心の移ろいやすさの表現に「はねず」が使われていることから、淡く儚いものの代名詞だったのでしょう。

 
 

式神

陰陽師の召使いのようなもの(鬼神)である。鬼や精霊を退治、あるいは仲間にした時に主従関係を結ぶ場合と、式札(しきふだ)と呼ばれる和紙札に呪術をかけて使役する場合がある。いずれの場合も、陰陽師の能力に比例する。

 
 

晴明の邸宅

晴明の死後、時の一条天皇は晴明を稲荷神の生まれ変わりとして祭った。都の鬼門に建っていた晴明の邸宅は現在、京都市上京区堀川通一条上ル806の晴明神社となっており、1000年の月日を越えて都の鬼門を守り続けています。

 
 

官位

本作でも右兵衛権佐、少納言、太政大臣と出世する道長ですが、これらは官位といって朝廷の役職のようなもの。平成の世では存在しません。道長が最後に就任する太政大臣は最高位で、隠居すると関白となります。この役職は、帝に成り代わって国政を司る権力があります。